不動産契約書,ちょっとだけ工夫しましょう
不動産契約書に必要となる印紙税は,簡単に節税できます!
前回は印紙税の軽減措置について説明させていただきました。
今回は,印紙税を節約する方法について書きます。
その方法は,すご〜くカンタンです。
売買契約をする際に,契約書を1通作成します。
通常は契約者人数分で2通,ないしは2通以上を作成していると思います。
印紙税として,作成した契約書に所定の収入印紙を貼ります。
ここからが節約の裏ワザの登場です。
作成した契約書を一部コピーします(白黒コピー)!ポチッとな(byタイムボカン)!!
※この時,カラーコピーをしてしまうと,印紙等模造取締法という法律の第1条第1項に規定されている「印紙にまぎらわしい外観を有するものを製造してはいけませんよ」に違反するので絶対にやめましょう。
コピーした売買契約書を売主が保管します。契約書原本(収入印が貼ってあるほう)は買主に交付しましょう。
こうすることで,印紙税は契約書原本の1通分のみで足ります。さらに,この1通分の印紙税を双方で折半することも可能です。結果として,ものすごく節約できてしまうんです。
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ここで,ふと疑問に思ってますか?,「本物の契約書原本を持ってない,契約が正式に成立しないんじゃないの?」,と
契約は,契約当事者(売主,買主など)の意思表示や約束があった時点で成立します。
具体的に言うと
売主「この土地〇円で買わない?」
買主「ほー,手ごろな値段だね。OK,買うよ!」
本当に,これだけです。
たった,これだけで,売買契約が成立します。
※ 参照条文 民法第176条「物権の設定及び移転は,当事者の意思表示のみによって,その効力を生ずる。」,同法第632条「請負は,当事者の一方がある仕事を完成することを約し,相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約する(約束するということ)ことによって,その効力を生ずる。」
契約書を作成して双方が保管しておくということは,契約そのものを成立させるために作成しているのではありません。
口頭だけでは後で言った,言わないのトラブルになる可能性があるので,確認できる証拠として作成しているだけです。
そのため,証拠(契約書)は一つ作成しておき,一つはコピーで十分ということが今回の裏ワザでした。